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【報道と実情】技能実習生が奴隷と言われてることについて近くで見た私の意見

どうも。スコプラ(@sukoplus)です。

最近毎日のように技能実習制度についてのニュースを見ますね。

本来は新たにできる特定技能1号2号という在留資格の話題なのですが「外国人労働者」という点で技能実習生についても取り上げられております。

いや、どちらかというとそちらの方が取り上げられています。

ニュースはTwitterなどでは

  • 低賃金
  • 長時間労働
  • 失踪問題

についてよく取り上げられています。

一気に話題になったのは先日ニュースで取り上げられた、時給300円で長時間働かせられたという技能実習生が涙ながらに会見をしていたあの一件ではないでしょうか。

あの一件は論外です!

もちろん実習生に対してではありませんよ?

もしあの会見が事実であれば企業と監理団体は公開されるべきだと思っています。

 

しかしながらあの一件で全ての企業、監理団体、制度が悪だと捉えられることには待ったをかけたいので実際に近くで見てきた実習生の実情について書いていこうと思います。

※技能実習制度や技能実習生を批判するものでもありませんし、完璧な制度というわけでもありません。

賃金について

技能実習生の話題でよく出てくるワードとして賃金が低いと言われます。

これがよく技能実習制度は奴隷制度だと言われる原因です。

 

本当にそこまで低いのでしょうか。

今回のニュースにもなった時給300円というのは何度も言いますが論外です。

日本人外国人関係なく違法ですし、こういった企業は大いに責められるべきでしょう。

日本の企業すべてがいい企業ではない(ブラック企業)のは皆さんもご存じのとおりで、技能実習生だからという問題ではないのです。

技能実習生の賃金は低いのか?

現在の技能実習制度が始まる前は研修生制度というものでした。

日本で仕事をするという面では現在の制度と大きな差はありません。

大きく違うところは労働法の適用外であったところ。

研修という勉強の面が強かったことから労働として認められず異常に低い賃金であっても違法性が認められないという状況がありました。

それらが現在の技能実習制度に変わり、現在では当然に日本人と同じように労働基準法等の労働法が適用されるようになったのです。

SNSでは研修制度時代の賃金をアップしこんな金額で仕事をさせられている、と現行にそぐわない情報が真のように拡散されています。

 

まず原則として技能実習制度では最低賃金を下回る賃金ということはありえません。

当然違法ですからそのような賃金では国の在留認定許可は下りません。

そして日本人と同等以上とも定められています。

 

日本人と同等以上というのは、実際にそこの企業で働く同等の技能を有する従業員と同等以上ということです。

具体的に言えば同じ1年目の日本人従業員がいれば同じ金額以上でないといけないということ。

 

もちろんその従業員の給与の資料も添付して在留認定を申請をしますので同じ1年目の日本人と比べ、技能実習生の賃金が低いということは認められません。

よく考えていただきたいのは、同じ1年目の日本人と外国人がいて、方や日本語が当然通じて指示したことを全て理解できる日本人と、片言の日本語は話せるが日本語の理解には当然差がある外国人が同じ賃金で働けるのです。

制度にのっとって実習をさせていれば世間で言われるほどの悪条件とは個人的には思えません。

それでも賃金が低いというのは日本人外国人関係なく企業の賃金体系の問題だと思うのです。

同じ額の日本人従業員も一緒に働いているのです。

きっと日本人従業員に対しても違法に低い賃金を払っていると思います。




賃金条件について

そして現地の国で採用募集をかける際には所定労働時間のみの賃金で募集をかけます。

決して残業が〇時間ありますよとは明記していません。

所定労働時間に対する給与(基本給とでも言いましょうか)で募集し、その基本給に納得した希望者が自ら手を挙げて応募してくるのです。

実際はそこに残業が足されるので募集時の条件よりも多くの賃金を受け取ることになりますので働き出してから残業がない、賃金が低い、約束が違うと言うのは少し残念です。

控除額について

では控除について周知していないのではないかと思いますよね?

控除についても募集の際の条件にすべて書いてあります。

  • 総支給額
  • 控除項目とその金額
  • 手取り額

全て明記して募集をしています。

そしてそこには残業は入っていないので実際には募集の内容よりも実際の給料は多くなります。

 

控除項目については日本人と同様に各種保険、税金が控除されます。

残業が多ければ多少税金等も上がりますがこれも説明します。

 

そして技能実習生ならではの項目として住居費というものがあります。

これについても現在様々な条件がありますが、大前提として

  • 家賃を上回らないこと
  • 1人あたり4.5㎡以上確保すること

が必要です。

家賃を上回らないというのは、例えば3人の技能実習生に対して家賃が45,000円のアパートを受け入れ企業が不動産屋から借りたとします。

すると45,000円÷3人=1人15,000円を超える住居費の控除は認められません。

15,001円でも認められません。

つまり受け入れ企業は1円も多く取ることはできないのです。

 

1人当たりのスペース4.5㎡以上というもはリビング、キッチン、浴室等の共有スペースは含みません。

ざっくり言うと寝室6畳間に2人といったところです。3人だと1人あたり4.5㎡を割ってしまいます。

 

これらのことからも通常は言われるような劣悪な環境に押し込められてという状況にはならないはずです。

 

水道光熱費に関しても同じです。

実際にかかった金額以上に控除することは認められません。

固定額を徴収するなら実際にかかる金額よりも低い額で設定し、オーバーした部分は企業負担です。

多めに設定した場合はある時期に精算をし、余った部分は実習生に返金する必要があります。




長時間労働について

長時間労働を強いられているのか

外国人技能実習生は長時間労働を強いられているとよく言われます。

これについてははっきり言えます。

 

技能実習生は残業を望んでいます。

 

 

そして多くの受け入れ企業もできる限り残業をさせてあげようとしています。

 

技能実習生の多くは(本来の趣旨とは違いますが)出稼ぎのような感覚を持っており、少しでも長く働いて給料を多く貰いたいのです。

しかし先ほども言いましたが技能実習制度になって日本人外国人関係なく労働法が適用されます。

あなたの会社にもきっとあると思います。

休日・時間外労働協定届

俗にいう36協定です。(もしなければ残業自体が違法です)

 

かなりざっくり説明しますが、中には36協定があればいくらでも時間外労働をさせられる魔法の協定書だと思っている人がいまだにいるようです・・・

確かにこの協定書がないと時間外労働自体が違法行為となってしまいます。

しかしこの36協定が結ばれていればいくらでも残業をさせていいとはなりません。

 

36協定は時間外労働をさせることが出来ると同時に、させることが出来る時間外労働の限界も記載されています。

通常1か月の時間外労働の限界は42時間である場合が多いと思います。

 

ある特定の時期が繁忙期になるような職種では月に42時間の時間外労働では対応できない職種もありますよね?

年末年始のお総菜などの総菜加工などが該当すると思います。

その場合、特別条項として6か月を超えない限度で〇〇時間まで時間外労働をすることが出来る旨が記載されます。(変形労働時間制というものも関係しますが割愛)

通常は70時間程度が多いです。

 

であれば年間で42時間×6か月、70時間×6か月の合計最大672時間までしか時間外労働をさせることができません。(労使協定によって1年間の時間外労働は実際はさらに制限されています。)

これ以上の時間外労働は当然日本人であっても違法となります。

機会があれば一度自分の所属する企業の労使協定を見てみるといいと思います。あなたの労働時間は適正ですか?

 

もちろんそこには法に基づいて残業代の支払い義務もありますし、割増賃金も発生します。

時期によっては10時間だったり20時間程度の残業しかさせてあげられないこともありますが多くの企業はギリギリまで残業をさせてあげようと努力をしています。

出来ることなら技能実習生が望むだけ時間外労働をさせてあげたいと思っています。

 

しかし時間外労働は法律の範囲内に収めなければならないので、世間で言われている「長時間労働を強いる」とは、実際には逆の状況が起こっているのです。

ほとんどの場合決して企業が好きかって働かせているわけでも技能実習生が嫌々残業をさせられているわけではありません。

今や日本人の感覚では残業は少なければ少ないほどホワイトだと言われます。しかしこと技能実習生に関しては他の日本人従業員より時間外労働が多くても「残業が少ない」という技能実習生は少なくありません。

技能実習生の有給について

それを証明するかのように、技能実習生は有給をとりたがらないことが多いのです。

理由は簡単です。

 

有給には残業が付かないから

 

いつものように出勤すれば1時間や2時間の時間外労働がありますが、有給を消化すると働かずして賃金は発生しますがそこには時間外労働は発生しません。

技能実習生にとってみれば本来働けば貰えたはずの時間外労働分の賃金が発生しないので多くの技能実習生は有給消化を喜びません。

 

しかし企業としては他の日本人従業員と同じように有給の消化を勧めます。

望んでいないにもかかわらず取得させなければ国から労働環境の是非を問われるのです。




ブラック企業は少ない

技能実習生の場合は日本人のみの企業に比べブラック化しにくい状況があります。

企業と技能実習生は他の日本人と同様に直接雇用の関係です。

 

しかしそこには監理団体という組織が入ります。

管理ではなく「監理」です。

技能実習生が企業から不当な扱いを受けていないか、企業を監理監督する立場です。

 

監理団体は3か月に1度監査を実施しなければなりません。

タイムカード、賃金台帳、全て回収し賃金は適正に払われているか1円単位で計算し、休日出勤、時間外労働は協定書の範囲内で行われているかすべてチェックします。

意図的ではなくとも正しく行われていなければ問答無用で主管である外国人技能実習機構に対し不正報告を提出します。

ある意味では日本人よりも守られているとも言えます。

今話題になっている技能実習生の労働環境についてもこれらの監理の目があったからこそ公に出ている部分もあります。

それ故、通常であれば300円という時給になることは考えられない事なのです。

失踪問題について

悲しいかな技能実習生が増え、失踪の人数も増えています。

募集の時の賃金よりも多くの賃金を貰っているにもかかわらず失踪してしまう背景には失踪を手助けする悪質なブローカーの存在もあります。

 

当然ですが人権保護の面からもプライベートの行動を監視するわけにはいきません。(昔は厳しく管理されていましたが今は許されません)

誰とでも自由に会えるのです。30万円稼げる、40万円稼げると、ありえない金額を提示し言葉巧みに失踪をそそのかすの者も簡単に接触できます。

今より少しでも稼げるならと誘いに乗ってしまう者もいるのです。

しかし実際に失踪した技能実習生がそれだけ稼げるとは私には思えません。失踪したはいいが逆に時給300円で働かせられたとしても訴えるところもないのです。

なぜなら彼らは不法滞在者になってしまったのですから。

後悔している者も多いでしょう。

夢を実現させている実習生も多い

ここまで勢いだけで書きましたが、この制度が素晴らしい!こんないい制度なのに!なんて1mmも思っていません。様々な問題もあります。

これまで書いた通り、厳しい条件があるにもかかわらず問題が起きているということはまだまだ問題がある制度です(では日本人労働者に対しては問題がないかといえばこれも同じように存在します)

 

労働環境はいいに決まっています。

 

ただ世間で言われている内容は技能実習生に限った話ではなく日本全体の話だと思うのです。

低いと言われている賃金も、同等以上といわれている以上日本人の賃金が上がれば技能実習生の賃金も上がるのです。

 

しかし日本人と同じく残業しない方向にいくと現状では技能実習生の賃金は減ってしまうのも事実です。

 

多くの技能実習生と接して、3年の技能実習を終えた技能実習生のほとんどはまだ帰りたくない、あと2年延長したいと言います。(※現在は技能実習3号という形で特定の条件のもと、2年の延長が出来ます)

 

実際に技能実習3号で再入国してあと2年間働く実習生も増えています。

 

国に帰って覚えた日本語を使って給料の高い職業へつく実習生も多いです。

家を建てたとか、改装したとか、帰国後も連絡をくれる人もたくさんいます。

現地企業で就職し、課長になって今は日本でバリバリ働いている元実習生もいます。

そんなのはほんの一部だろうと思うかもしれませんが夢を持って来日し、実習と日本語学習を頑張った多くの技能実習生はその後の人生を変えています。

 

 

何かと批判のある制度ですが、この制度で人生を豊かにした人も多いのもまた事実です。

それと同時にニュースにもなっているような悪質な企業、団体がいることも事実です。

悪質な受け入れ企業、監理団体は排除していかなければならないことは言うまでもありません。

2017年11月に新たに技能実習法が施行され、今後さらに排除されていくことを期待しています。

 

日本企業がすべてブラック企業ではないように、技能実習生を入れている企業の全てがこのような悪質企業ではないことだけは知ってほしいなと思います。

 

感じたことを取り留めなく書いたので読みにくいかもしれませんが^^;

 

おしまい。

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